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伊福部昭 映画音楽選集

               伊福部昭 映画音楽選集
今年は「ゴジラ サウンドトラックパーフェクトコレクションBOX1」「伊福部昭の芸術9 祭-伊福部昭音楽祭」「伊福部昭の芸術7 幻-わんぱく王子の大蛇退治」「地球防衛軍/宇宙大戦争 オリジナル・サウンドトラック」と、伊福部昭先生関係のCDを次々と購入しましたが、今日は「伊福部昭 映画音楽選集」というCDを紹介しようと思います。

このCDは、伊福部先生の映画音楽をオリジナルスコア通りに演奏した曲を収めたものです。
演奏が行われたのは日本ではなく、何と中国であり、上海を拠点に活動しているオーケストラ楽団、上海交響楽団が演奏をしています。
演奏の対象となった曲はテープが残っていてもモノラルしかない曲、磁気テープが導入される前の映画に使われたテープそのものが存在しない曲、また映画そのものがもう見られないようなもの等です。
極力特撮映画は省いてあるCDで、文芸、活劇、時代劇、偉人伝など様々な映画の伊福部音楽が演奏されており、伊福部先生の音楽世界の豊かさを実感できます。
無論メジャーな伊福部映画音楽も再演奏されており、「銀嶺の果て」「原爆の子」「わんぱく王子の大蛇退治」、「座頭市シリーズ」からは「座頭市血笑旅」のタイトル音楽が再演奏されています。
ガリガリな印象のある光学録音でしか聴けなかった曲も沢山演奏してあるので、「実際はこんなに迫力があったのか!」と驚くことは間違いありません。
特に「銀嶺の果て」のタイトル音楽を聴いた時は本当に驚いたもので、光学録音のガリガリな音しか知らなかった私にとっては衝撃的なCDでした(特に後半の音の厚みは物凄いです)。
また、「原爆の子」の曲(原爆投下のシーンに女声合唱付きで流れる曲)は、オリジナルの映像と合わせるとピッタリ合い、驚いたものでした。

「古臭い」という印象を抱いていた曲も、結局のところは録音方式の問題で、実際はもっと迫力がある、むしろ現在の映画音楽など比較にならないぐらいの迫力が伊福部映画音楽にある、というのを思い知らされたCDでした。

全曲の解説はさすがに無理なので、特別に取り上げたい曲だけを抜粋します。
まずディスク1のトラック15「ゴジラ/未使用音楽」。
これは山根博士らの大戸島災害調査団が、大戸島の惨状を目の当たりにするシーンのために作られた為の曲だと推測されています。
スコアには「M7」と記してあるそうですが、本編使用のM7は、ゴジラが嵐の夜に大戸島に上陸してくるシーンの曲になっているので、本編に使用されていたら「M9」になっていたと思われます。
災害調査団が島を調査するところでは、尾形や恵美子がゴジラに家を潰されて孤児になった新吉と、共同墓地に出会うシーンや、浜辺にテントを設営するシーンなども撮影されており(スチールも現存しています)、そのシーンを想定して作曲されたものだと思われます。
この曲のメロディーは「銀嶺の果て」で既に登場しており、極限状態もしくは悲劇、鎮魂を表現しているメロディーではないかと思われます。

その次はディスク2のトラック1「ビルマの竪琴 第一部/タイトル音楽」。
「ビルマの竪琴」は公開日までに撮影が間に合わず、止むを得ず第一部、第二部と公開、その後「総集篇(現在見られるもの)」が公開された訳ですが、その「第一部」のタイトル音楽と推測されている曲が演奏されています。
「総集篇」のタイトル音楽は、「ゴジラ」にも使われたレクエイム風の音楽なのですが、「第一部」のタイトル音楽は木管楽器なども用いた、ビルマの土地・風土を表現した様な曲だったのです。
ところが市川昆監督とのトラブルかどうかは分かりませんが、「第一部」のタイトル音楽は「総集篇」にはそのまま使われず、「伊福部レクイエム」のメロディーに変更され、「第一部」のタイトル音楽のテープは「第一部」のプリントと共に消滅してしまったのでした。
「ビルマの竪琴」は伊福部先生が担当された映画の代表作に挙げられる作品ですが、実はこんな事もあったのです。

3番目に紹介しておきたいのがディスク2のトラック16「妲己(だっき)/劇中音楽」です。
何と「キングコング対ゴジラ」のゴジラのテーマそのものなんです。
本来は「妲己」の音楽なのですが、私は「キンゴジ」のゴジラが東北本線の急行「つがる」を踏み潰すシーンを想起してしまいました。
ちなみに「キンゴジ」は一応シネテープという形ではありますが、4chステレオで録音された音楽が残っております(ただし経年劣化が激しい為、一部音揺れがあります)。

そして最後にディスク2のトラック17,18の「怪獣大戦争マーチ」も挙げなければなりません。
ゴジラファンの方々は、この曲を聴くだけでもこのCDを買う価値はあります!
何故かと言えば、「オスティナート」とは比べ物にならないほど再現度が高く、改めて「怪獣大戦争マーチ」のメロディーの素晴らしさ・重量感・質感を感じられるからです。
フルでの演奏ではありませんが、デジタル・ステレオ録音、オリジナル通りの演奏によって甦った「怪獣大戦争マーチ」は「凄い!!」としか言い様がありません。
私の中での「怪獣大戦争マーチ」は、この上海交響楽団演奏のバージョンが一番です。
後「大魔神逆襲」の魔神様のテーマも入っていますから、特撮ファン必携のCDですよ。

演奏レベルに関して言えば文句のつけようのないCDであり、伊福部昭映画音楽入門のCDとしても価値のあるCDです。
しかしあまりファンの間では有名でないようで、残念に思います。
特撮映画音楽ファンからすれば、「怪獣大戦争マーチが、オリジナルに忠実に再演奏されている」というだけでも話題になっていてもおかしくはないのですが…。
また、伊福部先生が担当された特撮音楽のメロディーも、一見何の関わりも無さそうな映画に登場しており、驚くこと間違いなしです!
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No title

ご無沙汰しております。
このCDに関しては私も所有していますが実は私、このCDの存在には購入直前までは知らなくて某サイトの掲示板で知ったくらいです。
で、知った時もせいぜい「伊福部先生の映画音楽のいつものコンピレーションアルバム」という程度で考えておりましたし再演奏版ということで「オスティナート」みたいな少しがっかりするアルバムだと思っておりましたが聴けば「これぞデジタルで蘇った伊福部音楽」と思ってしまいました。
確かにこれは凄いです。
メジャーどころの再演奏のみならず「銀嶺の果て」などの音楽テープがそもそも無い作品や今になっては現存すら怪しい作品、それに「ゴジラ」の未使用となった楽曲の初演なども入ってるではないですか。
ただ尤も「怪獣大戦争マーチ」に関してはタイトルと同時に後半のクライマックスに使用したバージョンに関しては演奏時間が短いという難点もあるのですがこれはこれで良し!という魅力もあります。

確かにこのCDに関しては「宇宙船」でも情報も無いのでどうしてもマイナーな感もあるのですが購入しても絶対損の無いCDですよ。
(「ビルマの竪琴」は音楽テープも数曲のみしか現存してないそうですのでこれ目当てでも購入の価値ありです。)

Re: No title

> ルーさん
このCDの素晴らしい所は、テープが残っていない音楽までも演奏してくれていることなんですよね。
しかもオリジナル通りに…。
「ゴジラ」の未使用音楽が演奏されているので、特撮映画音楽ファンの間では有名になってもおかしくないCDなんですけど、何故か有名ではないですね…。

> ただ尤も「怪獣大戦争マーチ」に関してはタイトルと同時に後半のクライマックスに使用したバージョンに関しては演奏時間が短いという難点もあるのですがこれはこれで良し!という魅力もあります。

怪獣大戦争マーチはフルで演奏していないのが残念ですが、音の厚さが半端じゃないので気にならなくなってしまいます。
下手したら原曲を超える迫力ではないかと思ったりも…。

No title

遅レスすいません・・。
確かにこのCDには「ゴジラ」の未使用音楽の蘇演でも話題になるのに何故か蚊帳の外なんですよ・・・。
昨今の「宇宙船」はこういう情報に関して何故か無視ですから何とも頭に来ます・・・。
ただそれだけにこのCDの存在は驚異的でありました。
楽曲も厚みがあり聴き応え満点ですよ。
「オスティナート」は最初の伊福部映画音楽の再演奏でありますが
ただ音が「軽い」んですよね・・・。
ステレオで聞けるのは感激なんですがその「軽さ」が残念だっただけに尚更・・・。
もう一つ、第二弾でもあると思ってたらこれのみ・・・。
せめてこの楽団による「オスティナート」を再演奏していただけたら・・・と思うと今回のみというのは惜しい・・・かなと。

Re: No title

>ルーさん
「ゴジラ」の未使用音楽の演奏もですけど、「怪獣大戦争マーチ」や「大魔神逆襲」の魔神様のテーマだって演奏されているのですから、「宇宙船」で取り上げても良い筈なんですけどねぇ…。
それに特撮映画以外の映画音楽でも特撮映画で御馴染のメロディーはよく出てきますし、ディスク2のトラック16「姐己/劇中音楽」は、「キンゴジ」のゴジラのテーマとほぼ同じスコアなんですし。
もうちょっと特撮音楽ファンの間でも有名になって良い筈です。

「オスティナート」ですけどあれは意図的に「荒々しさ」「重厚さ」を取り除いたのだそうです。
伊福部先生自身の監修で行われた演奏でもありますが、それで伊福部映画音楽の本来の魅力が損なわれているのは残念としか言い様がないです。
出来れば伊福部先生生誕100周年の時にまた同じような企画を、そしてオリジナルスコア通りの演奏が行われたCDが出れば…、と思います(だからこそ早く第2回伊福部昭音楽祭のCDを早く発売してほしいのです)。
プロフィール

ゾンデ5号

Author:ゾンデ5号
鉄道、特撮、アニメ、落語、その他もろもろ色々なものが好きな高校生のブログです。
色々な方面のネタを書きます。
特撮と言っても怪獣映画から戦記映画、SF、時代劇、ウルトラシリーズ、仮面ライダーシリーズ、アニメではタイムボカンシリーズ、新造人間キャシャーン、銀河鉄道999が好きです。
好きな俳優は主に東宝の俳優の方が多いです。
声優では故・富山敬さん、岡本茉利さんなどを贔屓しています。
鉄道では乗ること、撮ることが好きです。
好きな車両は583系、485系、455系、東北新幹線200系、E2系、ED75型機関車などが好きです。

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