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私の愛する映画シリーズ 第9回「宇宙大戦争」

        宇宙大戦争 オリジナル・サウンドトラック
                1959年12月26日公開
                監督/本多猪四郎
                脚本/関沢新一
                特技監督/円谷英二
                音楽/伊福部昭
                パースペクタ・ステレオ(3ch擬似ステレオ)音声

(物語)時は近未来(テロップでは1965年と表記ですが、まだ我々が実現できていない事も沢山描写されているので「近未来」としました)、日本の宇宙ステーションJSS-3が謎の円盤群の攻撃を受け破壊された。その後東海道本線では突如鉄橋が舞い上がり列車が転落するという事件が起き、さらに世界各地で船が突然舞い上がったり、水が竜巻の如く舞い上がるという怪事件が勃発する。
全ては地球侵略を狙う遊星人・ナタールの仕業であった。
人類はナタールが月に地球攻撃の拠点を構えている事を知り、熱線砲を備えた宇宙ロケットスピップ号を送り込んだ。一応ナタールの基地は破壊したものの、ナタールは更に円盤群を増強させ、司令円盤と共に地球に接近。人類はこれを戦闘用ロケットで大気圏外で迎え撃つ!人類の運命は!?

東宝が「地球防衛軍」に続き制作した宇宙SF映画です。
「地球防衛軍」とは姉妹篇になっており、白石江津子、安達博士、リチャードソン博士、インメルマン博士と「地球防衛軍」と同名の人物が登場します(但し役者が同じなのはハロルド・S・コンウェイ演じるインメルマン博士のみ)。
おそらく江津子、安達博士、リチャードソン博士は別人でしょう(今作のリチャードソン博士は、「地球防衛軍」のジョージ・ファネスが演じたリチャードソン博士の息子、という事も想像できますが)。
今回の舞台は富士山麓から宇宙へとスケールがアップし、メカもまた「地球防衛軍」とは違った趣向のメカが見られます。
当時のロケット技術を研究してデザイン、月面着陸などのリアルな描写がなされた宇宙艇スピップ号、スピップ号に格納されている月面探検用メカエアークッション車、そしてパラボラ型熱線放射器など、魅力的なメカが沢山出ます。
メカばかりに気を取られているのもよろしくないので、本編や演出についても。
今回は主演が池部良(勝宮一郎役)、安西郷子(白石江津子役)、とこれまでの東宝特撮映画とは違うメンツになっています。
そのせいかどうかは分かりませんが、「地球防衛軍」と比べるとやや冷徹な感じになっています。
池部良のずっとハメを外さない芝居は、「地球防衛軍」の熱い感じの佐原健二とは対照的ですね(佐原健二演じる渥美は科学者なのに、無謀にもミステリアンドームに侵入してミステリアンに捕まったりと全然科学者らしくありません)。
また「防衛軍」とは違ってナタールの描写は声のみです(月面で一応姿は見せますが)。
ミステリアンと違って感情移入の余地は全く無いです。
後、ナタールに発信器を埋め込まれる土屋嘉男演じる岩村についても言及しなくてはなりません。
「防衛軍」とは違う意味で危ない役(失礼!)を演じた土屋さんですが、電波で操縦されていない時にも調子が悪そうな芝居をしています。
岩村は、勝宮や江津子、安達博士(千田是也)らと共にスピップ号で月に向かうのですが、ナタールの怪電波にやられていることがバレてしまい、スピップ号1号艇(スピップ号は2機で月に行きました)に隔離されるのですが、ナタールの怪電波に操られ、1号艇を爆破してしまいます。
1号艇を爆破した後2号艇も爆破しようとするのですが、その最中に勝宮たちがナタールの月基地破壊に成功、電波は途切れ、岩村は自我を取り戻します。
最後、月を脱出するスピップ号2号艇を攻撃する円盤を岩村は単身熱線銃で撃破していくのですが、その時の岩村の台詞が、「科学戦争はこういう悲劇も起こすんだ」と言っているようで悲しいです。
「勝宮、1号艇を爆破したのは俺だ!宇宙人のロボットにされたんだ!
ナタールに操られた岩村に全く責任はないのですが、それでも岩村は自分の責任だと感じ、責任を取るため、単身月に残り、スピップ号の危機を救い、ナタールの冷線砲に倒れるのでした(死ぬ時の描写が、姿が消え去る、というのが実に悲しいです)。
「戦争の勝利の裏にはこんな悲しい犠牲がある」という現実を見せられているようです。
それはナタールの円盤群が地球に来襲し、戦闘ロケットが迎え撃ち、出撃する、という時のシルビア(エリス・リクター)の描写に出ています。
彼女の恋人と思われる男性が出撃することとなり、彼女にモニター越しに手を振るのですが、シルビアは「お願い、行かないで…」という表情をするのです。
「戦争は恋人との愛情も引き裂く」と静かに言われているようで、短いですが非常に悲しい場面です。
おそらく、これは「防衛軍」にも表れていたのだと思うのですが、本多監督は「戦争は結局は悲劇である」と言いたかったのかもしれません。
また本多監督は、未来戦争の映画でありながら、所々に戦時中を思わせる描写を入れています。
例えばスピップ号発進前のパレード。
須摩洋朔氏作曲の「鬨の声(戦後、「歓声」と改名)」と共にスピップ号乗員は見送られる訳ですが、そこで見送る人々が「バンザーイ!」と叫ぶのです。
初めてこの映画を見た時、このシーンでは「学徒出陣みたいだ」と思った覚えがあります。
観客にリアリティを感じてもらうために、意図的にそうしたのでしょうけど、本多監督はそういう部分(未来世界と過去世界の融合)が実に上手いです。

華々しい特撮シーンに気を取られがちなこの映画ですが、こういう部分にも注目してもらいたいですね。

特撮と言えば、スピップ号の発進シーン、そしてクライマックスの大気圏外での地球側の戦闘ロケットVSナタール円盤のシーンを挙げない訳にはいきません。
まずスピップ号の発進シーンですが、本多監督の丁寧な描写と相俟って物凄く迫力のあるシーンに仕上がっています。
インメルマン博士の「Fire!」という台詞とともにスピップ号は発進するのですが、重量感・スケール感が実に素晴らしいです。
そして大気圏外での「宇宙大戦争」とも言うべきドッグファイト。
光線が乱れ飛びまくるのですが、大変スピード感がある場面となっており、また伊福部昭先生の「宇宙大戦争マーチ(M32)」が大変迫力のある音楽であるので、見る者の突っ込みを許さないシーンとなっています。
その後、ナタールの宇宙魚雷(隕石型のミサイル)が地球に飛来、アメリカのゴールデンゲートブリッジを破壊する、という場面があるのですが、橋の壊れ方が本当に細かいです。
建築物の壊れ方に関しての円谷英二監督の拘りは並ではありません。
宇宙魚雷襲来に続き、司令円盤が東京に現れ、冷却放射線(対象物を絶対零度にし、重力を無にする)を放射し、地上の建物を舞い上がらせていきます。
このシーンでは、ミニチュアには発泡スチロールを使用し、その根元に圧縮ボンベを仕込んで、高圧空気を吹き出す事で、見事な場面を作り上げています。

伊福部音楽も冴えまくっています。
「メインタイトル(M2)」なんかは非常に格好良い、と小学校心に思った覚えがあるのですが、このメインタイトルのメロディーの一部は、東海道線の異変のシーンや、科学センターでアーメッド教授が怪電波を受けるシーンで流れる「危機のテーマ」(M3、M6、M7)と対応している部分があり、伊福部先生の音楽設計を考える上ではちょっと興味深いところです。
そして「宇宙大戦争マーチ」。
「宇宙大戦争マーチ」は、伊福部先生が戦前に作曲した純音楽「吉志舞」、軍部の要請で作曲した「兵士の序楽」「フィリピンに贈る祝典序曲」のメロディーが合体したものです。
特撮映画でいうと「ゴジラ」の「フリゲートマーチ」、「大怪獣バラン」の「自衛隊マーチ」が合体した、言わば伊福部マーチの一つの完成系と言える訳です(さらにこのメロディーは後年の「怪獣大戦争」でさらに発展します)。

本編・特撮・音楽について結構書いてしまいましたが、最後にエンディングの描写についても書こうかと思います。

最後ナタールの司令円盤は撃墜され、円盤も来襲せず、人類は勝利する訳ですが、そこでの喜びは「俺たちは勝ったんだ!」という喜びではなく、「平和が戻ったんだ」という喜びに感じます。
エンディング音楽も「平和」を感じさせるメロディーになっており、決して戦争を賛美するとか、そういう風にはなっていません。
エンディングの描写は、「平和こそが最も大切なものだ」と本多監督が語っているのでしょうかね。
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ゾンデ5号

Author:ゾンデ5号
鉄道、特撮、アニメ、落語、その他もろもろ色々なものが好きな高校生のブログです。
色々な方面のネタを書きます。
特撮と言っても怪獣映画から戦記映画、SF、時代劇、ウルトラシリーズ、仮面ライダーシリーズ、アニメではタイムボカンシリーズ、新造人間キャシャーン、銀河鉄道999が好きです。
好きな俳優は主に東宝の俳優の方が多いです。
声優では故・富山敬さん、岡本茉利さんなどを贔屓しています。
鉄道では乗ること、撮ることが好きです。
好きな車両は583系、485系、455系、東北新幹線200系、E2系、ED75型機関車などが好きです。

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