FC2ブログ
  1. 無料アクセス解析

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

私の愛する映画シリーズ 第4回「ゴジラの逆襲」

ゴジラの逆襲
監督:小田基義
脚本:村田武雄、日高繁明
特技監督:円谷英二
音楽:佐藤勝

私の好きな映画に「ゴジラ」を紹介したので、続編「ゴジラの逆襲」も書かなくてはいけません。
ここではゴジラシリーズという括りではなく、東宝特撮映画という括りで紹介していきます(じゃないと、「キンゴジ」になって、ゴジラの描写が明るくなったことが説明できないのです)。
第1作でゴジラは影も形も無くなり溶かされてしまった訳ですが、この作品では2匹目のゴジラという事でゴジラを再登場させています。
しかも新怪獣アンギラスも登場、ゴジラと戦う訳ですが、これが「キンゴジ」以降開花する怪獣対決路線の幕開けになったのです。
前作では「特殊技術」のクレジットであった円谷英二監督も「特技監督」に昇格しました。
「監督」ということは、特撮でも芝居をさせることが出来る、というのが認められた証ですよね。

本編演出は本多猪四郎監督に変わり、前年の「透明人間」で円谷英二監督と共に仕事をした小田基義監督に変わりました。
監督が変わったせいか、人間描写は何か古臭いなーと思っちゃいます。
避難民の描写も、「お約束」として描写してある感じですし。
しかし、ゴジラが大阪に上陸するまでの緊張感は、また格別です。
ゴジラの上陸を阻止するために灯火管制をするというのがまたリアルです。
ゴジラとアンギラスは真っ暗な大阪で戦う訳ですが、不気味な音楽(PS45-1・58サイクル正回転、PS45-1・62サイクル逆回転)と相俟って、独特の混沌感を感じます。
そして、ゴジラとアンギラスとの戦いに巻き込まれて壊れていく建物の描写が心地良いです。
さらに凄いのが、地下鉄の駅の改札口もミニチュアです。
地下鉄の駅には脱走した囚人が逃げ込む訳ですが、そこに本物の地下鉄の駅が出てきます。
その後、ゴジラとアンギラスが真上の川に落っこちて、川底が抜けて駅に水が流れ込んでくるのですが、そこにすぐ前に出てきた地下鉄の駅の改札口が、今度はミニチュアで出てくるのです。
そこで全く違和感を感じさせない(本物とミニチュア)ところは、本編と特撮との連携に驚かざるを得ません。

ゴジラとアンギラスはいつの間にか大阪城にまで到達。
ゴジラはアンギラスを天守閣ごと堀に押し落とします。
ここの天守閣の壊れ方が実に細かく、倒壊するシーンが実に爽快です。
しかし、残念なことにアンギラスはここでゴジラに殺され(倒されるのではなく)、怪獣対決は終わってしまいます。

後半は、ゴジラを撃退する飛行機乗りのドラマになり、飛行機が大活躍します。
ここでの飛行機の飛んで行く様子、本当に格好良いです。
飛行機に物凄い憧れを持っていた円谷監督の事ですから、飛行機には物凄くこだわっていたのだと思います(そもそも主人公が飛行機乗りという時点で円谷監督としては嬉しくてたまらなかったのではないかと思います)。
ゴジラは一面氷の孤島・神子島に上陸するのですが、氷でゴジラを埋めるというアイデアは秀逸ですね。
何でゴジラがあんな所にいくんだぁー、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ゴジラは勝手気ままな怪獣ですから、ちょっと寄り道でもしたくなったのでしょう。

氷でゴジラを埋めるというアイデアは、ゴジラの偵察をしていた主人公・小林(千秋実)の飛行機がゴジラの熱線(白熱光)を浴び、氷山に激突して爆散して雪崩が起こったことで思いつかれます。
ここで小林の訃報を知った小林の同僚・秀美(若山セツ子)が悲しむ様子が、戦争の面影、飛行機乗りの悲哀(?)を感じさせます。
飛行機乗りというのはいつ死ぬか分からない職業でもありますから。

総括すると、この映画の凄いところは、怪獣対決とそれに巻き込まれる人間のドラマいう新たな怪獣映画の新境地を見出したことでしょう。
マニアには不評な映画ですが、この点は評価されるべきだと思います。

で、音楽ですが、「七人の侍」など黒澤映画と係わりの深かった音楽家・早坂文雄氏の弟子、佐藤勝先生が担当しています。
佐藤勝先生はこの映画で初めて映画音楽に携わる事になったのですが、伊福部先生とは違う形で独特の怪獣映画音楽を作っています。
一つの曲を用意し、それを様々な速度でスロー再生にしたり、逆回転させたり…。
はたまたドラやシンバル、ハープの逆回転も用いています。
ドラの逆回転(ドラ-1・ドラ58サイクル逆回転)は、ショック音楽の様な形で使われているのですが、ドラの残響音をスロー、逆回転再生をすることによって上手く不気味な音に仕上げています。
佐藤勝先生のこの映画における音楽の作り方をもっと知りたいという方は、ゴジラサントラBOXを買ってください。
ちなみにサントラBOXの「逆襲」のサントラには、マニアの間では迷曲(?)とされている「ゴジラさん」「うちのアンギラス」も収録されています。
「ゴジラさん」なんかを聴くと、当時の観客はゴジラを「可愛い怪獣」と思っていたことが分かります。
マニアの方は、やたら初代ゴジラや逆襲ゴジラは怖いとか、恐怖の象徴言いますが、当時の観客は動物を可愛がるようにゴジラを見ていたのです(「ゴジラ」公開時に、「何でゴジラを殺したんだ」って苦情がきた、という話があるくらいですから)。
原案を依頼された香山滋先生のエッセイを見ても、ゴジラを殺すのは忍びないと書いておられます。
「ゴジラを殺す、痛めつけるのは忍びない」という視点は、昨今のゴジラ映画からは感じられなくて残念に思っています。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

そうだそうだ

怪獣対策とは別の人間ドラマを織り込む手法は海外の怪物映画にはほとんど見られない作劇で、(日本の怪獣映画がメジャーになってから真似し始めた?)
それを持ち込んだ功績が大きい作品ですよね。
ただまあ、まだまだあまりうまくいっていないとも言えますが・・。

そしてこのゴジラ映画二作目にしてすでに怪獣たちは陽性なものとして描かれていることに怪獣ファンは注目すべきです。
モノクロ映画であることから、ある種の重さみたいなものが作品から感じられてしまう面はあるものの、
登場人物たちの怪獣へのリアクションがどうなっているか。

もちろん、人間が怪獣に親しみを持っているなんてことはないにせよ、
殺人鬼や悪霊なんかに対するような嫌悪感を抱いている様子はありません。
対策本部の人物が両怪獣を「困った奴らですな」と評するシーンではゴジラやアンギラスを憎んでいるとは思えません。

『ゴジラの逆襲』サントラは持っていなくて、「ゴジラさん」や「うちのアンギラス」も聞いたことがなかったもので、昭和30年時点での一般的なゴジラ観をはっきりとは知りませんでした。
やはり、第一作当時から世間一般はゴジラに親しみを感じていたのですね。

ほんとにほんとにゴジラに恐怖しか見ようとせず、ゴジラは恐怖だと喧伝する人々は反省して欲しい。
それは特殊な見方なのだ!

Re: そうだそうだ

> 怪獣対策とは別の人間ドラマを織り込む手法は海外の怪物映画にはほとんど見られない作劇で、(日本の怪獣映画がメジャーになってから真似し始めた?)
> それを持ち込んだ功績が大きい作品ですよね。
> ただまあ、まだまだあまりうまくいっていないとも言えますが・・。

そうですね。
海洋漁業の面々のドラマを入れてはいるものの、ちょっとグダグダになっている感もあります。
でも最近の作品に比べればよくまとまっていると思いますよ(黄金期の映画だから当たり前かぁ)。

> そしてこのゴジラ映画二作目にしてすでに怪獣たちは陽性なものとして描かれていることに怪獣ファンは注目すべきです。
> モノクロ映画であることから、ある種の重さみたいなものが作品から感じられてしまう面はあるものの、 登場人物たちの怪獣へのリアクションがどうなっているか。

仰る通りです。
劇中ではゴジラを憎んだりする人物は一切出てこないし、災害(?)と捉えているように思います。
後怪獣に対するリアクションと言えば、木匠マユリ演じるコテコテの関西っ娘の、「早よう照明弾でも使って、遠くへ連れてってもらいたいわ」という台詞に対する、千秋実演じる小林が、「連れてくってね(以下略)」のやり取りにも、ある種怪獣に対する楽観的な見方が感じられます。
「全く困った奴らですな」という台詞にも、わんぱくな子どもを怪獣に見立てているようなものを感じます。

> やはり、第一作当時から世間一般はゴジラに親しみを感じていたのですね。
> ほんとにほんとにゴジラに恐怖しか見ようとせず、ゴジラは恐怖だと喧伝する人々は反省して欲しい。
> それは特殊な見方なのだ!

「ゴジラさん」の中に、「愛嬌者だよゴジラさん」という歌詞がありますから、親しみを感じていたのは間違いないと思います。
後当時の子ども雑誌の中に、子どもが初代ゴジラと取っ組み合いをするという記事があったりしました。
ゴジラに恐怖を見るのは間違いではありませんが、親しみを感じる部分(そもそも同じ感情を持った動物なんだから当たり前です!)もあるのも、間違いではないでしょう。
「恐怖」だけの怪獣だったら、ゴジラを使わないで、新怪獣を使ってください。

そうだそうだ

まあ、この作品は人間ドラマ部分に関しては確かに古臭いな・・・って部分もありますがしかし、それでも「絶望に屈せず立ち向かう人々」というのが丁寧に描かれてます。
(そこが音楽起用に佐藤勝氏を選ばれた理由でありますか・・・でもまあ尤も別の理由ではありますが・・・)
怪獣たちへの人間のリアクションがどこか前向きかつ楽天的であるんですよ。
本当にゴジラが出現したらどうなるか?という事を本多監督とは別のベクトルで小田監督が演出してるし。
(先に述べた「古臭い・・・」ってのは脚本の時点でそうなってるからこれは大阪を舞台にした関係だと思いますが・・・)

ゴジラの最初の対戦相手のアンギラスも中盤で退場させられてるし
どこか欠点の多い作品ではありますが怪獣を「生物、動物」として据え尚且つそれらが「憎しみ」の対象ではなく迫り来る「災害」として
捉えた点は大いに評価すべき点であります。
(しかもエンターテイメントとしての怪獣映画としてこの「逆襲」が製作された事も)

円谷監督の特撮もこの作品からは「広がり」を感じさせる画面構成となっており空間処理の見事さを発揮しております。
(戦記映画だと幾つかありますがここまでというのは無かった・・・。)
それともう一つ、この作品からはセイバージェットに代表される戦闘機の描写が執拗に思えるほど見事な特撮です。
初代では正直それほど良かったとは思えないですが「逆襲」では円谷監督のリベンジとでもいうべき戦闘機のイメージがここでは描かれてます。
(セイバージェットのシークエンスが「初代」の唯一の特撮シーンでの難点だと思う・・。アップシーンではカッコよく演出されたのがロングだとミニチュア然となってしまうのが残念・・・・。)
思えば「初代」での心残りだったのでしょうか・・・。

ダイナミックな演出ぶりは飛行機好きの円谷監督のなせる技でしょうか。

後、佐藤勝氏の音楽も勇壮なタイトル曲を始め、怪獣たちの対決を静寂かつ不気味なイメージを生んだテープ逆回転で処理した曲、それに「前向き」「希望」という点を含んだエンディングなどはこれまた大いに評価できる秀作だと思います。
(これが後の「ゴジラの息子」や「日本沈没」で発展します。)


Re: そうだそうだ

> ルーさん
確かにこの映画の人間たちの描写は「ゴジラ」に比べると明るいですよね。
破壊された本社でも、災害の後の様に後片付けをし、楽天的にふるまう海洋漁業KKの面々を見ると…。
> 本当にゴジラが出現したらどうなるか?という事を本多監督とは別のベクトルで小田監督が演出してるし。
というのは正解だと思います。

> ゴジラの最初の対戦相手のアンギラスも中盤で退場させられてるし
> どこか欠点の多い作品ではありますが怪獣を「生物、動物」として据え尚且つそれらが「憎しみ」の対象ではなく迫り来る「災害」として 捉えた点は大いに評価すべき点であります。
> (しかもエンターテイメントとしての怪獣映画としてこの「逆襲」が製作された事も)

そうです。
あくまでも怪獣の起こす現象は「災害」として描写されているのですよね。
それはスタッフが、怪獣を人間の業の象徴としてではなく、「大自然」と見ていたからだと思います。
しかもそれをしっかり娯楽要素に転じさせるのですから凄いものです。

> (戦記映画だと幾つかありますがここまでというのは無かった・・・。)
> それともう一つ、この作品からはセイバージェットに代表される戦闘機の描写が執拗に思えるほど見事な特撮です。
> ダイナミックな演出ぶりは飛行機好きの円谷監督のなせる技でしょうか。

確かに飛行機描写は「ゴジラ」よりも細かいです。
ゴジラ撃滅のために編隊を組んで飛んでいくセイバーなんかたまりません。
そもそも主人公が飛行機乗りという時点で、円谷監督は嬉しくてたまらなかったのではないかと思います。

> 後、佐藤勝氏の音楽も勇壮なタイトル曲を始め、怪獣たちの対決を静寂かつ不気味なイメージを生んだテープ逆回転で処理した曲、それに「前向き」「希望」という点を含んだエンディングなどはこれまた大いに評価できる秀作だと思います。
> (これが後の「ゴジラの息子」や「日本沈没」で発展します。)

不気味・威圧感のある大自然には、静寂かつ不気味、メロディーのはっきりしない音楽を付け、対して人間には力強さの感じさせる音楽を付ける佐藤勝先生の音楽は、伊福部先生とは違う意味で素晴らしいと思います。
佐藤勝先生の怪獣映画音楽といったら、個人的には「ゴジラの息子」ですね。
後、テープを使って色々と細工音を作り出したりする手法は、確かに「日本沈没」でも使っていますね。
「逆襲」での音楽は、やっぱり勇壮かつ悲壮感のあるメインタイトル(M1AT2)でしょうね。
と言っても、怪獣を不気味に描写した、「岩戸島の戦い(M2AT2・58サイクル正回転」、「大阪城の対決(PS45-1・62サイクル逆回転)」も捨てがたいです(独特の混沌感がたまらない!)
プロフィール

ゾンデ5号

Author:ゾンデ5号
鉄道、特撮、アニメ、落語、その他もろもろ色々なものが好きな高校生のブログです。
色々な方面のネタを書きます。
特撮と言っても怪獣映画から戦記映画、SF、時代劇、ウルトラシリーズ、仮面ライダーシリーズ、アニメではタイムボカンシリーズ、新造人間キャシャーン、銀河鉄道999が好きです。
好きな俳優は主に東宝の俳優の方が多いです。
声優では故・富山敬さん、岡本茉利さんなどを贔屓しています。
鉄道では乗ること、撮ることが好きです。
好きな車両は583系、485系、455系、東北新幹線200系、E2系、ED75型機関車などが好きです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。